niraikanai9

記事一覧(98)

久田和広が読んだ「夏と花火と私の死体」

読書が大好きな久田和広ですが、ホラー小説も読みます。ライトな物の方が好きですけどね(笑)今回紹介する本は、乙一の著書「夏と花火と私の死体」です。この、「夏と花火と私の死体」は作者の乙一氏が16,7歳の時に書かれたものだと知った時は、ショックを受けました。まだ高校生でこの文才か!と思うくらいまとまっているというか、だけど、16歳だからこそのフレッシュな文体であり、表現でもあるのだろうなと感じました。乙一氏のデビュー作ですし、ホラー好きなら誰でも知っている作品だとは思いますが、主人公は「私=五月」なのですが、開始数ページで死んでしまいます。死んでしまったら終わりではないの?とも思うはずですが、死んだ後も、主人公の五月視点で淡々と話が進んでいくのです。死んだ後も、死んだ主人公の目線で話が進むというのがまず面白いですよね。主人公の死体を隠そうとする兄妹、そして、緑さんの存在。話の急展開に、えっ!?とも思いましたね。死体を隠そうとする兄妹のスリル感もすごかったですが、ハラハラドキドキと、自分もまるで共犯になったような気分でしたね。まさかの真相でしたが、主人公が一切悲観的にならず、淡々とラストまで持って行ったおかげで、鬱鬱とした展開にはなりませんでしたし、読後感が悪いということもありませんでした。そもそも緑さんはどうして…?という謎は残りますが、知らないままの方がいいのかもしれません。これから夏にかけてホラー小説を読む機会も増えそうなので、他にも面白そうなホラー小説をどんどん読んでいくつもりの久田和広です。

久田和広が読んだ「だから、あなたも生きぬいて」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、大平光代の著書「だから、あなたも生きぬいて」です。2000年のベストセラー本ですが、大平光代さんの自伝でもありますね。あらすじは、いじめを苦に割腹自殺を図ろうとした中学2年生の大平さん。いじめ、不登校、そして割腹自殺ミスを図り、非行に走った後は、極道の妻になるというあまりにも壮絶な道の踏み外し方でしたが、「おっちゃん」に出会い、苦難を乗り越え、立ち直っていくという話です。まず本当にノンフィクションなのだろうか?と思えるくらいの濃厚な人生、そしてつらい時期を乗り越えてきた大平光代さんに驚きを隠せませんでしたし、逃げたままでいずに、しっかり自分と向き合い、前向きになれた彼女の生き方が本当に素晴らしいと思いました。何よりも、養父となる「おっちゃん」との出会いがあったからこそ、前向きになれたのでしょうし、その「おっちゃん」の言葉が胸に響きました。どん底から必死に這い上がろうと頑張った大平さんは本当にすごいですし、何よりも結果を残せているのがすごいですよね。高校にも入らず、なおかつ独学、家での勉強だけで司法試験合格にまでこぎつけたというのも、本人の努力とやる気がなければできなかったことでしょう。人間、やればできないことはない!というのが伝わってきましたし、そんなに必死になれるものがあるというのもすごいと感じましたね。必死に、死に物狂いで頑張ったからこそ、大平さんの今があるのでしょうけど、自分が同じ立場になった時、どん底から這い上がろうと努力できるだろうか?とも思いました。そんな環境にいても、負けないような強いメンタルを持ちたいですね。

久田和広が読んだ「バトル・ロワイアル」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、高見広春の著書「バトル・ロワイアル」です。2000年代のベストセラー小説で、一時期大ブームを巻き起こしたことも知っている方は多いはずです。映画も大ヒットしましたが、この先に流行るデス・ゲームものはこのバトル・ロワイアルから一気に増えたイメージがありますね。あらすじとしては、中学生達が殺し合いを強いられる、といった話です。クラス42人で1人が残るまで殺し合いというゲームをするという設定で、主人公の七原秋也と、幼馴染が好きだった少女の中川典子、そして転校生である川田章吾とともに、このゲームから脱出を試みる──というストーリー。発売当初は批判も多かったというのは納得の作品です。かなり長くボリュームもありますが、テンポがいいので一気読みすることが出来ました。ホラー小説に分類されているくらい、残酷な描写、殺戮シーンなどもありますが、中学3年生42人がそれぞれ守りたいもの自分のために、悩み、決断していくという部分もあり、恐怖と共に切なさがありました。それぞれ一人一人に設定やストーリーがあるので、出てくるキャラクターに感情移入もしてしまい、いつ殺されてしまうのかという緊迫感もハラハラ感もありました。自分の気に入ったキャラクターが死んでしまうのは、辛かったですけどね。生き残ってほしいと思いつつ、読み進めていくうちにやっぱり……という展開になり、物悲しい気持ちになりつつも最後まで読みました。綺麗にまとめ切れていると思いましたが、この後、彼らはどうなったのか、というのも気になりました。とはいえ、きっとこの話は後日談がない方が良いのでしょうね。

久田和広が読んだ「たんぽぽのお酒」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、レイ・ブラッドベリの著書「たんぽぽのお酒」です。SF作家のイメージもあるレイ・ブラッドベリですが、このお話は半自伝でもあるファンタジー小説ですね。夏が来る前にこれを読んでおこう!と思った理由として、12歳の少年のひと夏をえがいた作品だからです。架空の町でもある、「グリーン・タウン」を舞台に、少年の成長や孤独などが表現されているのですが、詩的というか叙情的というか、文章や言葉選びがとても美しかったですね。少年時代にしか経験することのできない、キラキラとしたものや、生きること、死ぬことと向き合っていくのですが、久田和広自身の少年時代の夏の朝を彷彿とさせられました。今考えると怖いものが当時は怖くなかったり、今は怖くないものが当時は怖かったり、少年時代にしか見えなかったものがたくさんあったな、と、ノスタルジックに浸ることが出来ました。「たんぽぽのお酒」を作るというのが、グリーン・タウンの儀式でもあるのですが、この本のタイトルにまず惹かれて読み始めたようなものなので、たんぽぽのお酒を作るシーンが特に好きです。本の書き出しが夏の始まりなのですが、その描写も素晴らしかったです。夏の匂いがするというか、情景が目に浮かぶようでしたね。話の終わりで夏が終わる、というのもとてもよくまとまっていました。最初から最後まで、夏とノスタルジック、という印象の強い本でしたが、読んだ人と好きな部分を語って、好きなシーンを出し合いたいなとも思える本でした。

久田和広が読んだ「アキハバラ@DEEP」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、石田衣良さんの著書「アキハバラ@DEEP」です。かなり古い作品ではありますが、この間、古本屋で偶然見かけて手に取って懐かしく思ったので、久しぶりに読み返してみました。こちらもテレビドラマ化や映画化もされていますが、若者向けのライトノベルのような感じでもありますね。秋葉原がオタクの聖地として持ち上げられ始めた頃、メイド喫茶の流行中の話なので、今読むと、ああ、懐かしいなという気持ちにはなりましたね。秋葉原の初期を知っている方こそ、きっと楽しめるのでしょう。主人公が発達障害を持っているのですが、応援したくなるというか、吃音というのを伏線にしっかり練り込んでいる感じもありましたし、どんどんと引き込まれていきました。単純明快なストーリーですし、悪役がまさに悪役、そして主人公たちがチームを組んで闘うという、ある意味、少年少女小説の定番のような流れなので、安心して最後まで読むことが出来ました。主人公がいて、ヒロインがいて、それぞれ心の弱さはあるものの、べたな恋愛展開に発展するわけではなく、ナチュラルに読んでいけるので、そこまでドロドロはしていませんでした。秋葉原のどこかで、こんな人たちがいればいいのに、とも感じました(笑)登場人物がそれぞれ個性的なので、感情移入できるまで時間がかかるかもしれませんが、魅力がいっぱいのキャラクター達ばかりで、10年前の秋葉原に懐かしさを感じる人にこそ読んでほしいですね。

久田和広が読んだ「模倣犯」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、宮部みゆきさんの著書「模倣犯」です。映画にもなりましたし、ドラマ化もされているかなり有名作なので、テレビで見た事がある人も多いかもしれませんね。もう20年近く前に出たサスペンス小説ではありますが、何となく読み返したくなって図書館で借りてみました。宮部みゆきさんの作品は、どれも唸らされるものが多いのですが、今回は特に続が気になって気になって、途中で読むのをやめるということが出来ずに、困ってしまいました。あらすじを語ろうかと思ったのですが、一切読んでいない人にネタバレしてしまうのを避けるため、軽い感じになりますが、犯罪者の暴走を描いたという作品であり、犯罪の「被害者」そして、「加害者」の双方の視点から、事件を追っていくという作品です。加害者・被害者だけでなく、ジャーナリストや警察、発見者までも巻き込まれていきます。加害者がまさにサイコパスといった感じで、セリフの一つ一つも気味が悪いのです。加害者視点で「完全犯罪」を企てているつもりになっているのにもイライラさせられ、なおかつ被害者の無念、そして被害者家族の心理描写などには精神的にしんどくなるような感じでしたね。スリリングではありますが、被害者家族側の地獄が非常にリアルで、読んでいて苦しくなる部分もありました。登場人物が複雑に絡まっているので、たまに登場人物の整理をしないとわからなくなってしまうことも。じっくり読み進めたかったのに、あっという間に読んでしまったので、これはまたしばらくして忘れた頃にもう一度読み返したいですね。

久田和広が読んだ「感情的にならない気持ちの整理術」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、和田 秀樹さんの著書「感情的にならない気持ちの整理術」です。不機嫌でいるとソンをする!最近、感情をコントロールできず、不機嫌になる人が増えている気がしませんか?感情に振り回されると、仕事も、人間関係も、うまくいきません。医学的に見てもマイナスです。免疫機能が低下して、病気になりやすいからです。仕事も、人間関係も、健康も、努力して「自分磨き」するより、まず感情をコントロールして、ごきげんな時間を増やすのが早道。頭がよくて優秀な人より、いつもごきげんな人がうまくいくのです。手軽に実践できる「気持ちの整理術」もたくさん紹介されているので、自分に合ったものから、今日すぐ実践できます。気持ちが上向きになっていくことが感じられるはずです。久田和広はちょっとした自分の小さなミスにも感情的になります。少しのことでイライラするのは周りの人にも迷惑かけているし、絶対に人生損しているよな、と思って本書を読みました。スラスラ読めました。具体的な方法をもっと深く教えてほしかったなと思いました。例えば「勝ち負けにこだわらない」とありましたが、どうしても気になってしまう時、どのように考えたらよいのか…。また、感情のままに相手に言い返す前に周りを見る、みたいな内容もありましたが、それが簡単にできたら苦労はないです……。怒ると周りを見ることができませんし、気持ちに余裕がなくなります。本にはやはり「気持ちに余裕を持ちましょう」みたいな記載がありましたが、久田和広にはまだむずかしいかもしれません…。甘えなのでしょうか。。ですが、著者は精神科医というせいか、こちらの本全体が何か優しい感じがしました。「ごきげん」という記載もそう思わせてくれているのだと思います。気持ちに余裕のある「ごきげん」な大人になりたいので、少しずつ実践していきたいと思います。

久田和広が読んだ「悪魔が来りて笛を吹く」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、横溝正史さんの著書「悪魔が来りて笛を吹く」です。昭和22年、世間をにぎわした「天銀堂事件」の容疑を受け失踪し、自殺されたと見られる椿英輔の娘・美禰子が金田一耕助の元を訪れた。「父はこれ以上の屈辱、不名誉に耐えていくことは出来ないのだ。由緒ある椿の家名も、これが暴露されると、泥沼のなかへ落ちてしまう。ああ、悪魔が来りて笛を吹く。」と書かれた遺書を持参した美禰子は、母が父らしい人物を目撃したと怯えていることから、父が本当に生きているのかどうか砂占いで確かめることになったと説明し、金田一にその砂占いへの同席を依頼する。そして計画停電を利用した砂占いの席で、停電終了と同時に椿英輔の遺作「悪魔が来りて笛を吹く」の演奏がどこからか響く。鍵となる「悪魔が来りて笛を吹く」という曲ですが、実際に聞いていないものの、強弱の表現であったり、『メロディーのなかには、たしかに一種異様なところがあった。それは音階のヒズミともいうべきもので、どこか調子の狂ったところがあった。そしてそのことが、この呪いと憎しみの気にみちみちたメロディーを、いっそうもの狂わしく恐ろしいものにしているのである。』と本文中にもありますが、それがおそらく犯人を示すものであり、また、この異様な感じで完成されていることが一層不気味に思えました。このような曲なのかな、と想像力がかき立てられます。横溝正史氏の作品には昭和のおどろおどろしさがあり、この不気味な感じが人気なのだと思います。怖かったですね。何度か映像化されていますが観たいような観たくないような…