久田和広が読んだ「夏と花火と私の死体」

読書が大好きな久田和広ですが、ホラー小説も読みます。ライトな物の方が好きですけどね(笑)

今回紹介する本は、乙一の著書「夏と花火と私の死体」です。

この、「夏と花火と私の死体」は作者の乙一氏が16,7歳の時に書かれたものだと知った時は、ショックを受けました。

まだ高校生でこの文才か!と思うくらいまとまっているというか、だけど、16歳だからこそのフレッシュな文体であり、

表現でもあるのだろうなと感じました。

乙一氏のデビュー作ですし、ホラー好きなら誰でも知っている作品だとは思いますが、

主人公は「私=五月」なのですが、開始数ページで死んでしまいます。

死んでしまったら終わりではないの?とも思うはずですが、死んだ後も、主人公の五月視点で淡々と話が進んでいくのです。

死んだ後も、死んだ主人公の目線で話が進むというのがまず面白いですよね。

主人公の死体を隠そうとする兄妹、そして、緑さんの存在。話の急展開に、えっ!?とも思いましたね。

死体を隠そうとする兄妹のスリル感もすごかったですが、ハラハラドキドキと、自分もまるで共犯になったような気分でしたね。

まさかの真相でしたが、主人公が一切悲観的にならず、淡々とラストまで持って行ったおかげで、

鬱鬱とした展開にはなりませんでしたし、読後感が悪いということもありませんでした。

そもそも緑さんはどうして…?という謎は残りますが、知らないままの方がいいのかもしれません。

これから夏にかけてホラー小説を読む機会も増えそうなので、他にも面白そうなホラー小説をどんどん読んでいくつもりの久田和広です。