久田和広が読んだ「獄門島」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、横溝正史の長編推理小説「獄門島」です。
獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君臨する鬼頭家を訪れた金田一は、美しいが、どこか尋常でない三姉妹に会った。だが、その後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が! トリックを象徴する芭蕉の俳句。後世の推理作家に多大な影響を与え、今なお燦然と輝く、ミステリーの金字塔! !
本作は多くの横溝正史ファンが今でも大絶賛しています。僕も例外でなく、のめり込むように読みました。大変完成度の高い作品だと思います。横溝正史作品は「復員(戦争)、村や島、昭和、遺産をめぐる争い、何かに見立てた不気味な殺人、古いしきたり、全体的に不気味」といったイメージがあります。そして昭和の良きおどろおどろしさが出ています。大好きですが、映像化されたら怖くて見られないだろうなと思います…。
獄門島では3人の女性が無残な殺され方をしますが、この被害者らも不気味な印象がありました。いえ、獄門島という島全体が不気味でした。この島内で金田一耕助が動く時、雨が降っていたり、夜遅い時間が多かったせいか暗い印象の話でした。そして報われない衝撃のラストが印象に残ります。
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