久田和広が読んだ「時生」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する本は、東野圭吾の著書「時生」です。
宮本拓実はろくに働きもしない無頼の若者で、その日暮らしの生活を送っていた。ある日、拓実は花やしきで自らを「トキオ」と名乗る不思議な少年と出会う。身寄りのないトキオのことをなぜか他人のように思えない拓実は、自身の住むアパートにトキオを居候させることになる。 拓実には千鶴という恋人がいた。千鶴は実家の貧しさゆえに夢を諦めスナックで働いて生計を立てていたが、拓実は金に困るたび、そんな千鶴に金をたかっていた。そんなある日、千鶴が突然姿を消してしまう。部屋の置き手紙には拓実への別れの言葉が残されていたが、一方的な破局に拓実は納得がいかない。やがてイシハラと名乗る不気味な男が千鶴を探している事を知り、彼女が大きな事件に巻き込まれていると感じた拓実は、トキオとともに彼女を探し始める。
非常に胸アツな本でした。随所に涙腺崩壊箇所が散りばめられています。
主人公は愚か者ですが、立派なトキオに助けられて大人になります。主人公の実の母との会話、トンネル事故でのトキオの決心、最後の愚か者のセリフなど泣けます。
本書はかなり分厚い大作でしたが、時間を忘れて一気に読んでしまいました。
最終的にトキオは亡くなってしまうという運命は変わりませんでしたが、トキオはこの後死ぬのではなく過去に向かったので、読んだ後は暗い気持ちになることはありませんでした。最後の主人公のセリフがとても良いと思いました。ミステリーっ気はありませんが、大変感動できる作品です。
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