久田和広が読んだ「使命と魂のリミット」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、東野圭吾の長編医療サスペンス小説「使命と魂のリミット」です。

十数年前のあの日、手術室で何があったのか? そして今日、手術室で何が起こるのか? 心の限界に挑む医学サスペンス。

笑顔で手術室に入った父は、冷たい骸となって戻って来た。誰も予想していなかった、術中死。さっきまで、あんなに元気だったのに――。それをきっかけに心臓外科医を目指した夕紀は、実は誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う!

東野圭吾氏の作品は主として推理小説だと思いますが、以前記載した「マスカレード・ホテル」などのように、推理小説としてだけでなく、関係している業界(今回は病院)のことを詳しく調査して、読者に職業人としての意識を強く働きかけていると思いました。

作中に停電している病院の中で手術が行われるという緊迫する場面もあり、臨場感あるストーリーでページを進める手が止まりませんでした。

主人公の父は故意に殺されたのではないか?再婚相手の息子を父が追い詰めたからではないか?父が亡くなる前に母と再婚相手の密会があったりなどサスペンス要素も満載です!

また、今回は珍しく(?)読後がとても爽やかで前向きになれる作品だと思いました。主人公の成長はもちろん、作品ながら今後の医療の発展が期待できるのではと思わされる内容です。

本の虫、久田和広の読書ブログ

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