久田和広が読んだ「夜のピクニック」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、恩田陸の小説「夜のピクニック」です。

全校生徒が24時間かけて80kmを歩く高校の伝統行事「歩行祭」。3年生の甲田貴子は、最後の歩行祭、1年に1度の特別なこの日に、自分の中で賭けをした。それは、クラスメイトの西脇融に声を掛けるということ。貴子は、恋心とは違うある理由から西脇を意識していたが、一度も話をしたことがなかった。しかし、ふたりの不自然な様子をクラスメイトは誤解して…。

ただ歩いているだけですが、その間の登場人物の様々な気持ちがおもしろいです。

登場人物である西脇融と甲田貴子は、異母兄弟です。貴子は融と話したいのですが、融は無視気味。貴子は今回の「歩行祭」というイベントの間に融に話しかけて返事をしてもらうという賭けをしていました。

その様子を見た周りの友人達が貴子と融が付き合っているのではないかと勝手に誤解します。

毎年秋に朝8時から次の日の朝8時まで、昼食・夕食・仮眠(2時間ほど)以外をひたすら歩き続ける「歩行祭」。

久田和広はこのような行事を初めて知って、楽しそうだなと思いました。実際に学生の時だったら「かったりいな」と思ったかもしれません。

しかし、夜間に学校のクラスメートと一緒にいるという非現実的な状態で、普段あまり話さない人と話して意外な人柄を知ること、そもそも同じ時間を共有したということが、大人になってから思い出す学校行事のひとつになるのではないでしょうか。

「歩行祭」をうらやましいとは思いますが、その代わりに修学旅行がないそうです。久田和広は修学旅行の方がいいですね。笑

本の虫、久田和広の読書ブログ

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