久田和広が読んだ「つきのふね」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、森絵都の小説「つきのふね」です。
あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき―。近所を騒がせる放火事件と級友の売春疑惑。先の見えない青春の闇の中を、一筋の光を求めて疾走する少女を描く、奇跡のような傑作長編。
本作は小学校の図書室でも見かける児童文学です。久田和広は大人になってから読みましたが、大人も子供も読みやすく、最後には感動させられる話だと思いました。
万引き、放火、ノストラダムスの大予言、世界の終わり、売春、精神病などノストラダムスの大予言以外は現代でも問題になっていることがたくさん出てきます。
『あたしはちゃんとした高校生になれるのかな。
ちゃんとした大人になれるのかな。
ちゃんと生きていけるのかな。』(作中より)
主人公は中学生です。自分も中学生の頃に読みたかった作品ですね。大人になった今と中学生の頃では思うところも違うでしょう。思春期って漠然と未来に対しての不安感がありますよね。そういったむずかしいテーマを読みやすく描いています。
森絵都さんの小説はいくつか読んでいますが、どれも児童文学の枠にとどまらず、大人が読んでもいろいろと考えさせられる作品ばかりです。
0コメント