久田和広が読んだ「マリアビートル」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、伊坂幸太郎の長編小説「マリアビートル」です。

元殺し屋の木村は、一人息子の渉を重体に追い込んだ中学生・王子に復讐するために、東北新幹線<はやて>に乗り込んだ。ターゲットである王子を見つけるのだが、逆に捕まってしまう…。

腕利きの殺し屋・檸檬と蜜柑は、ある人物と重要なトランクを盛岡に送り届けるため、東北新幹線<はやて>に乗っていた。しかし、少し目を放した隙にトランクは何者かに奪われてしまい、更にはとんでもない失態を犯してしまう…

ツキのない殺し屋・七尾は、ある簡単な依頼を受けて東北新幹線<はやて>に乗っていた。依頼されたブツを手に入れて、次の駅で降りれば仕事は終わるはずだったのだが…

東京→盛岡、同じ新幹線に乗り合わせた殺し屋たちが繰り広げるエンターテンメント!

「グラスホッパー」の続編として描かれました。グラスホッパーの登場人物が一部登場します。正直な感想をいいますと、1本の新幹線に殺し屋が乗り合わせすぎますね。笑

木村、檸檬、蜜柑、七尾、スズメバチ男、スズメバチ女、狼。

7人もいるんですよ。狼はすぐに退場しますが、ここにさらに2人も追加されますし、王子は中学生ですけど、人殺しより最低な人間です。

木村は近くにいる学生や女性にイチャモンつけたりセクハラしたりと、しょーもないおっさんですが、息子の渉が王子にビルから突き落とされた後、王子に復讐しに行く父親らしいところがありました。木村の両親が登場しますが、この両親の正体に驚きます。

たくさんの殺し屋が登場しますが、一番性悪なのは王子です。多くの読者が胸くそ悪くなります。七尾君は本当についてなくて不運なことばかり起きていましたが、でも最終的にはよかったじゃないかと思いました。

このできごとの時に一方ではこう見えて、こちらの人物はこう見ていた…という登場人物ごとの視点で物語が進むのは、伊坂幸太郎さんの得意分野ですね。

本の虫、久田和広の読書ブログ

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