久田和広が読んだ「マスカレード・ホテル」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、東野圭吾の推理小説「マスカレード・ホテル」です。
『完璧に化けろ。決して見破られるな。』
不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は超一流のホテル。容疑者もターゲットも不明のなか、事件解決のため、一人の男が選ばれた!
マスカレード・ホテルへようこそ―
彼の仕事は、相手の仮面をはがすこと。
彼女の仕事は、お客様の仮面を守ること。
彼らの前に、様々な仮面をかぶった人間がやってくる。
新田浩介はホテルマンとして潜入捜査を行い、彼の教育係にフロントクラークの山岸尚美がつく。立場も職業倫理も異なることから、潜入捜査が始まった段階では衝突の多い2人だったが、共にホテルマンとして、時には捜査員としての目線を互いに共有しながら、日常起こるホテル内での悲喜交々の出来事に対峙していくうち、二人の間には信頼と共闘意識が生まれる。そして、捜査本部がこれまでにない厳戒体制を敷いた、ある特別な1日が始まった。
東野圭吾氏の作品はいくつか読んでいますが、殺人事件以外の部分でも本格的な内容を描く作家さんだと思わされました。今回でいえば、ホテルのフロント業務。実際にホテルで取材し、プロのノウハウや考え方が物語に生かされています。
今作は氏が売れっ子作家であるせいか、前宣伝を大げさに感じていたけれど、やはりおもしろかったです。様々な来客を通して、新田のホテルマンとして(本当は警察官)の成長を描いています。その来客にしっかりと用意されていた伏線。東野圭吾氏は裏切りませんね。本作の宣伝時にキャッチコピーとして書かれていた『完璧に化けろ。決して見破られるな。』という言葉は、ホテルマンに扮する新田だけにあてはまることではありませんでした。
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