久田和広が読んだ「夏の庭」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は湯本香樹実の「夏の庭」で児童文学です。

小学6年の夏、ぼくと山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに住むおじいさんを見張ることにする。一方、観察されていると気づいたおじいさんは、憤慨しつつもやがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。ぎこちなく触れあいながら、少年達の悩みとおじいさんの寂しさは解けあい、忘れられないひと夏の友情が生まれる。

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

児童文学ですが、久田和広は大人になってから読みました。小学校や中学校の読書感想文の課題図書になっていることが多いようです。

「死」について小学6年生の男子3人は関心を持ち始めました。初めは好奇心から、今にも死にそうな老人を観察することにしたものの、逆に老人は活力を取り戻して、さらに友情が生まれていきます。3人は庭の草むしりや買い出しなどおじいさんの手伝いをしたり、おじいさんから戦争の話や、生き別れになった妻の話を聞きます。

おじいさんの話やおじいさんの存在を通して、「生きる」とは何か、「死ぬ」とは何か考えさせられます。本作を読んだのは今から6年前なので、今読むとまた感じ方が違うかもしれません。さらに年を取ってからも読みたい作品です。

本の虫、久田和広の読書ブログ

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