久田和広が読んだ「セカンド・ラブ」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は乾くるみの「セカンド・ラブ」で長編推理小説です。
里谷正明は、名門大学の大学院生で資産家の娘・内田春香と交際することになった。デート中に、スナックに勤務するミナという春香にそっくりな女性がいることを知る。
ミナに会いに行くと、春香とは別の家庭で育てられた一卵性双生児だと言われる。
春香と順調な交際を続ける中、先輩の紀藤が彼女の尚美と別れたことを知らされる。紀藤をなぐさめるために、里谷はミナがいるスナックに誘う。
あらすじだけ見ると単なる恋愛小説のように思えますが、作者は「イニシエーション・ラブ」の乾くるみ氏ですし、恋愛要素もありますが推理小説です。
今作でも大きな謎はありますが、細かい謎もたくさんあります。物語の始めに結末が書かれており、間には回想、最後に冒頭の続きが書かれています。
「イニシエーション・ラブ」のようにはっきりとトリックが描かれているわけではないので、鈍い久田和広は「ん??」と思いました。
大きな謎はようやく理解しましたが、細かい謎はインターネットで鋭い読者の解説により「あーそんなのがあったのか」と思いました。
さらに乾くるみ氏は自分の作品に共通して「タロット」と「天童太郎という人物」を登場させています。「イニシエーション・ラブ」や「リピート」では天童太郎を見つけましたが今作では気づきませんでした。もろもろ何度か読み直したくなる作品です。
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