久田和広が読んだ、「怪談和尚の京都怪奇譚」

この季節になってくると、怖い話や怪談が読みたくなるのですが、怖いもの見たさというか、そこまで得意ではないのに読みたい!という気持ちが強いですね。

映像で観るのは苦手なので、活字で読むようにしているのですが、逆に想像力がかきたてられて、自分の想像で怖くなってしまうということもよくあります(笑)

でも、暑い夏に怖い本を読んで涼むという原始的な方法は、何よりのエコなんじゃないかと思います。

さすがにエアコンは必須ですけど、怖い本を読むと本当にゾ~ッとするので、それで結構冷えますよ。

とはいえ、あまり怖い話を読むと、家でひとり過ごすのが怖くなってしまう久田和広です。


さて今回は、「怪談和尚の京都怪奇譚」を読んでみました。

これはただの怖い話ではありません。語ってくれるのがお坊さんなので、死者と向き合うというお仕事をされながら、実体験をもとに描かれているので、何よりもリアルです。

作り話だろう、と笑い飛ばせない何かがあるようにも感じました。

読者を怖がらせるための話ではなく、お坊さんなりの解釈や、こういった捉え方もあるんだという部分が多数あり、仏教の教えについても勉強にもなりました。

死後の世界について考えたことはありましたが、こうしてお坊さんからの話が聞けると、また違った見方が出来るかもしれませんね。

ただ怖いだけではなく、人間は死んでも何かの想いを残せるのかもしれないと思える本でしたね。

ひたすらに怖い話を求める人には物足りないかもしれませんが、怖いけれど、なにかしんみりとするような本なので、おすすめですよ。