久田和広が読んだ「幻夜」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は東野圭吾の「幻夜」で長編推理小説です。

水原雅也は、父の通夜の翌朝に起きた大地震後に、借金返済を強いていた叔父を殺害してしまう。「新海美冬」と名乗る女がそばにいたが、犯行を見られたのか、雅也には確信が持てない。震災が取り持つ奇妙な縁で、美冬と雅也は、まるで共存するように助け合いながら生きて行くことになる。

その後、2人は震災を忘れるかのように、希望を抱き上京する。しかし彼らの行く先々で、事件と陰謀がうごめいて行く。やがて刑事加藤亘が、奇妙な偶然に気付きはじめた。

本作は、東野圭吾氏の有名作品のひとつ「白夜行」の続編といわれています。「白夜行」を読んでから本作を読んだ方がおもしろいかもしれません。続編かどうかは読んだ人次第です。久田和広は続編だと思いました。言ってしまうと「新海美冬」と名乗っている女性は「白夜行」に出てきた唐沢(西本)雪穂なのではないかと思われます。

地震で身元がわからなくなった遺体を利用して、雪穂は美冬と名乗ったのではないでしょうか…。作品内には雪穂が美冬だというはっきりとした描写がないため、雪穂は美冬ではないと取る人もいます。

美冬の指示で雅也は悪事を重ねます。美冬は雅也を大いに利用し、人生の勝ち組になっていきます。

最後に美冬(雪穂?)が船上で「こんなにすばらしい夜は初めて…。幻みたい…」とつぶやきますが、自分を殺そうとしていた人物と自分を追い詰めていた人物が相打ちとなり、思わぬ収穫だったということでしょうか。東野圭吾氏の作品に出てくる悪女は暗躍している人が多いと思います。過去によほど女性にひどい目に遭わされたのかな?と思ってしまいます。『三部作』といわれているので、「白夜行」「幻夜」に続く作品を期待しています!!

本の虫、久田和広の読書ブログ

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