久田和広が読んだ、「怪奇小説集」
寒い時にはどんな本が読みたくなりますか?
やっぱり心温まるような作品を読んで、ほっこりするというのも良いのですけど、寒い時だからこそ、ゾ~ッとするような怪談話を読みたくなります。これは自分だけかもしれませんが……(笑)
寒いからこそ、もっと寒くなるような本が読みたくなる時ってあるんですよね~。寒いギャグとかでヒエーッとするのではなく、心身ともにゾッとするようなやつがいいんですよ。
ただの怪奇映像なんかはありふれていますが、小説ならではの、文字によってなにかを想像させるようなゾッとするようなものが好きな久田和広です。
さて今回は、遠藤周作さんの「怪奇小説集」を読んでみました。
遠藤さんの本はたまに読んだことがあったのですが、こうして読むと、文章力のすばらしさに驚かされました。
文章で怖がらせるって、なかなか難しいんですよ。挿絵があるわけでも、音で驚かされるわけでも、映像があるわけでもありません。
それを、文章の表現力でゾッとさせるのがすごくうまくて、怖いというよりも、すごい!となってしまいましたね。
しかも最初の話はどうも、遠藤氏の実話のようなんです。「実話」と言われるだけで、もう怖くありませんか?
短編集なのですが、どれもこれも背筋がぞくっとするような話で、これを読んだせいで体感温度がグッと下がっちゃいましたよ。怖い!というより気味が悪いって感じもありますね。
どっちかというと、暑くて堪らないという時に読んだ方が良い本かもしれませんね~。
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