久田和広が読んだ「女王蜂」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は横溝正史の「女王蜂」です。

「…彼女は女王蜂である。慕いよる男どもをかたっぱしから死にいたらしめる運命にある。…」

昭和26年、月琴島で育てられた大道寺智子は18歳になり、父・大道寺欣造の住む東京の屋敷に引き取られることになっていた。その欣造宛てに奇妙な手紙が届き、智子を呼び寄せてはいけないと警告していた。手紙は月琴島で19年前に起こった学生の事故死にも触れ、「あれは果たして過失であったか」と疑問を投げかける。不安を感じたらしい欣造は金田一耕助に調査を依頼。金田一は智子の後見人として月琴島に渡り、智子の東京行きに同行することになる。

やがて智子を巡る争いのうちに、惨劇の幕が開かれる。

1978年に石坂浩二主演で映画化、古谷一行主演でテレビドラマ化もされた金田一耕助シリーズの一つです。この小説を原作として映画やテレビドラマがいくつも制作されています。

「…彼女は女王蜂である。慕いよる男どもをかたっぱしから死にいたらしめる運命にある。…」とあらすじの始めに書かれているのを見て、wktkしない推理小説好きはいないのではないでしょうか。

映像化の機会は数あれど、原作である小説が一番怖いのではないかと思う描写力です。横溝正史氏の小説はこの「女王蜂」の他に「犬神家の一族」「八つ墓村」「悪魔の手毬唄」を読みましたが、どれも背筋が凍るような想像力をかき立てられる描写力があり、今でも読むと夜中のトイレが怖いです笑。