久田和広が読んだ「リピート」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は乾くるみの「リピート」です。

現在の記憶がそのままある状態で過去の自分に戻って人生をやり直す「リピート」に成功した若者達が次々に不可解な死を遂げ始めた。誰がリピーターを殺しているのか?家族にも警察にも相談できないまま独自の捜査を行う彼らが辿り着いた衝撃の真相とは。というストーリーです。

あの時に戻れたら…と誰もが考えることがあると思います。しかし、一度戻ってしまうと元の世界には戻れません。それが10か月前限定だとしたら、あなたは戻りますか?

タイムトラベルを扱ったSFに殺人事件を組み込んだ独特の話です。ページ数は多めではありますが、先が気になって引き込まれます。

乾くるみ作品に共通するのか、レビューするとネタバレになってしまうところがあります。

タイムスリップの話ではめずらしく、タイムスリップする人間が善人ではありません。特に事件でリピーターが亡くなり始めてからは自分の保身が第一で細心の注意が払われています。人間の嫌な部分が描かれており、結果がすでに分かっている競馬で儲けたりなど、ある意味人間らしいといえば人間らしいことをします。

善人ではない主人公に共感することはありませんが、リピーターが一人ずつ死んでいく状況にはこちらとしても緊張感がありました。後半は一気に畳み掛けるようなスピード感があります。

乾くるみといえば、2015年に公開された映画「イニシエーション・ラブ」が話題になりましたね。乾くるみの作品をいくつか読みましたが、この「リピート」もおもしろいです。

「イニシエーション・ラブ」よりも映像化しやすい作品だと思います。