久田和広が読んだ「夜は短し歩けよ乙女」

読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、森見登美彦の小説「夜は短し歩けよ乙女」です。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。

久田和広がこれまで読んできた小説でもっとも個性的なキャラクターが多く登場していました。もっとも久田和広の読書量なんてたかが知れていますが…。

森見登美彦さんの小説は初めて読みましたが、マンガのような小説ですね。小説の中で起こるできごとがまるでマンガみたいなんです。文体も独特で面食らいます。

主役は語り手である「先輩」と「黒髪の乙女」。先輩が一番まともかと思いきや黒髪の乙女にぞっこんなバカな大学生でした…。黒髪の乙女がもしかしたら一番変わっているのかもしれません。好奇心旺盛過ぎるし、うわばみです。

李白という高利貸しをしている老人、樋口先輩という自称天狗の万年浴衣男、東堂さんというスケベ野郎、まだ他にもいるけど願掛けのためにパンツを履き替えないパンツ総番長。まともな人がいません。そこがおもしろい話を作り上げています。