久田和広が読んだ「パラレルワールド・ラブストーリー」
読書が大好きな久田和広です。今回紹介する物語は、東野圭吾の小説「パラレルワールド・ラブストーリー」です。
山手線で大学の資料室に通う大学院生の敦賀崇史は、毎週田町駅と品川駅間で併走している京浜東北線に同じ女性が乗っていることに気づき、恋心を抱く。
就職することになり、山手線に乗る最後の日に思い切って彼女に声をかけようと京浜東北線に乗ると彼女の姿はなかった。落胆していると、いつも自分が乗っていた山手線に彼女の姿があった。急いで乗り換えるも彼女には会えないままだった。
崇史には身体的なハンデのある三輪智彦という親友がいる。ある日智彦から「恋人を紹介したい」と言われ崇史は喜んでいたが、連れてきた女性は電車で恋心を抱いた女性だった。崇史は、親友の恋を祝福する心とは裏腹に、強烈な嫉妬に苦しむようになる。
しかし、ある日目を覚ますと、麻由子は自分の恋人になっていた。不思議なことに崇史はそれをまったく疑問に感じていなかった。そして同じ頃、親友の智彦の所在が不明になっていた。
ただのよくあるラブストーリーではないことを期待して読みました。もちろん期待通りでした。物語は智彦と麻由子が恋人の話と崇史と麻由子が恋人の話がそれぞれ進みます。冒頭の山手線と京浜東北線のようにパワレルワールドで進んでいくような気がしますがミスリードでした。記憶と現実が違うことがたびたび起きて、錯綜する世界の向こうに潜む闇、1つの疑問が、さらなる謎を生み出します。構成がとてもおもしろいです。
ところで東野圭吾の話に出てくる女性は怖い人が多いですね。この「パワレルワールドラブストーリー」の麻由子は崇史も智彦も愛していないように見えました。
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